知らないと損!高額療養費制度で保険はいらなくなる?公的保障を活かした固定費削減術
「毎月の保険料が家計を圧迫しているけれど、解約するのは怖い……」
「もし大きな病気をしたら、貯金だけで足りるのか不安」
将来の安心のために加入している医療保険や生命保険。しかし、日本には**「高額療養費制度」**という、世界でも類を見ないほど手厚い公的保障があることをご存知でしょうか?
この制度を正しく理解すれば、「実は保険に入りすぎていた」「今の保障内容なら貯金で十分カバーできる」といった事実に気づけるかもしれません。今回は、制度の仕組みから、保険がいらなくなるケース、そして賢く固定費を削減するためのステップを詳しく解説します。
1. 高額療養費制度とは?「医療費の天井」を知る
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた分が国から支給される制度です。
どれだけ高度な手術を受けたり、長期間入院したりしても、私たちが支払う「実質的な自己負担額」には、所得に応じた上限(天井)が設けられています。
一般的な所得層の負担額はどのくらい?
例えば、年収が約370万〜770万円(標準報酬月額28万〜50万円)の現役世代の場合、1ヶ月の医療費の上限額は、おおよそ8万〜9万円程度に収まります。
計算式(例):
$80,100 + (\text{総医療費} - 267,000) \times 1\%$
もし医療費が100万円かかったとしても、窓口での支払いは約9万円(3割負担の30万円から、後日差額が戻る)で済むのです。さらに、過去12ヶ月以内に3回以上上限に達している場合は「多数回該当」となり、4回目以降の上限額は44,400円まで下がります。
2. 「保険はいらない」と言われる3つの理由
「高額療養費制度があるなら、民間の医療保険はいらない」という意見には、明確な根拠があります。
① どんなに高額な治療でも「月10万円」あれば足りる
前述の通り、一般的な所得層であれば、ひと月の医療費の自己負担は10万円以下で収まることがほとんどです。数十万円、数百万円の貯金がある人なら、保険を使わなくてもその場を凌ぐことができます。
② 傷病手当金で収入減少もカバーされる
会社員や公務員(健康保険加入者)であれば、病気やケガで働けなくなった時に、給与の約3分の2が最大1年6ヶ月間支給される**「傷病手当金」**があります。治療費だけでなく、生活費の不安も一定期間は公的保障で守られているのです。
③ 保険料を「貯金」に回すほうが効率的
月々5,000円の保険料を30年払い続けると、総額は180万円になります。このお金を保険料として消やすのではなく、新NISAなどで運用しながら貯蓄しておけば、病気の時だけでなく、老後資金や教育費など「どんな目的にも使える自由なお金」になります。
3. 注意!高額療養費制度で「カバーできない」費用
制度は万能ではありません。以下の費用は自己負担となるため、これらに不安がある場合は保険の検討が必要です。
差額ベッド代: 個室や少人数部屋を希望した際にかかる費用。
入院中の食事代: 1食あたり数百円の自己負担が発生します。
先進医療の技術料: 公的保険外の最新治療を受ける場合の全額。
自由診療: 抗がん剤治療などで、国内未承認の薬を使う場合など。
特に**「先進医療特約」**は、月々数百円で数千万の治療費に備えられるため、医療保険のメイン保障は削っても特約だけは残すという選択をする賢い人も増えています。
4. 損をしないための「固定費削減」3ステップ
「今の保険、見直してみようかな」と思ったら、以下の手順で進めてみましょう。
ステップ1:自分の「所得区分」と「限度額」を知る
健康保険組合や市町村のウェブサイトで、自分の年収に基づいた上限額を確認します。「意外と安いな」と感じるはずです。
ステップ2:今の貯金額と照らし合わせる
「1ヶ月10万円、3ヶ月入院して合計30万円」を支払っても、生活が破綻しない貯金があるかを確認します。ある程度の蓄えがあるなら、医療保険を解約、または最低限(掛け捨ての安価なプラン等)に絞ることで、月々数千円の固定費が浮きます。
ステップ3:浮いたお金で「本当の備え」を作る
保険料を削った分は、必ず「貯蓄」や「資産運用」に回しましょう。これが最も確実なリスクヘッジになります。
まとめ:公的制度を知れば、安心はもっと安く手に入る
「保険に入っていないと不安」という気持ちの正体は、実は「日本の制度を詳しく知らないこと」による恐怖かもしれません。
高額療養費制度という強力なバックアップがあることを理解すれば、民間の保険は「全てをカバーするもの」ではなく、**「公的保障で足りないごく一部の穴を埋めるもの」**に変わります。
自分に必要な保障のラインを見極め、無駄な固定費を削減して、本当に大切なことにお金を使える家計を目指しましょう。