「もう失敗しない!」襖の張り替え、これであなたもプロ級マスターに!
和室の雰囲気を大きく左右する襖(ふすま)。長年使っていると、破れてしまったり、日焼けや汚れが気になったりすることもありますよね。「よし、自分で張り替えよう!」と意気込んだものの、「シワができちゃった…」「ボコボコになっちゃった…」と、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
でも、ご安心ください!襖の張り替えは、いくつかのポイントとコツさえ押さえれば、初心者さんでも驚くほどきれいに仕上げることができるんです。せっかく挑戦するなら、納得のいく仕上がりにしたいですよね。
この記事では、襖の張り替えで「なぜ失敗しやすいのか」その原因を徹底解明し、プロの仕上がりを目指すための具体的な手順や、万が一失敗してしまった時のリカバリー術まで、わかりやすく解説していきます。これさえ読めば、あなたの襖もきっと見違えるほど美しく生まれ変わるはず。さあ、一緒に襖の張り替えに挑戦してみませんか?
「襖の張り替え、なぜうまくいかないの?」よくある失敗と原因
せっかくきれいに貼ろうとしても、思わぬ落とし穴にはまってしまうのが襖の張り替え。ここでは、多くの人が経験する「あるある」な失敗例と、その原因を見ていきましょう。
- シワやたるみができる・ボコボコに波打つ
- 原因: 襖紙が水分を吸いすぎて伸びすぎた、のりの量が均一でなかった、空気がうまく抜けていない、乾燥が早すぎた、など。特に紙は水分を含むと膨張し、乾くと縮む性質があるため、この伸縮をうまくコントロールできないとシワや波打ちの原因になります。
- 襖紙が浮いてくる・端が剥がれてくる
- 原因: のりの量が足りない、下地が汚れていて接着力が弱い、乾燥時に急激な温度変化があった、下地の種類と襖紙・のりの相性が悪い、など。特に乾燥が進むと紙は縮むため、接着が甘いと端から剥がれてしまいがちです。
- 襖紙が破れる
- 原因: 襖紙を引っ張りすぎた、カッターの切れ味が悪い、下地に凹凸があった、など。特に再湿のりタイプなど、水で湿らせて貼るタイプは、水分を含むと強度が落ちるため注意が必要です。
- 枠(ふち)が外せない・壊してしまう
- 原因: 襖の種類に合わない無理な外し方をした、経年劣化で木材が脆くなっていた、釘や接着剤で固定されていた、など。無理に外そうとすると襖本体や枠を傷つけてしまうことがあります。
張り替えを始める前に!襖の種類と襖紙の選び方
襖の張り替えを成功させるには、まず「あなたの襖がどのタイプか」を知り、それに合った「襖紙と貼り方」を選ぶことが重要です。
1.襖の種類を知ろう!
ご自宅の襖がどのタイプかによって、張り替え方法や注意点が大きく変わります。
- 本襖(組子襖)
- 特徴: 木で組んだ骨組み(組子)に下地紙を何枚も貼り重ねて作られています。叩くとポンポンと軽い音がするのが特徴。伝統的な和室によく見られます。
- 張り替え: 比較的、枠を外して古い襖紙を剥がしやすいタイプです。DIYでの張り替えに向いています。
- 戸襖(板襖)
- 特徴: 木枠の両面にベニヤ板などが貼られたタイプで、和室と洋室の間仕切りなどによく使われます。叩くとコンコンと固い音がします。
- 張り替え: 枠が外せないものや、古い襖紙を剥がせないものが多いです。その場合は「重ね貼り」や「枠を外さずに貼れるタイプ」の襖紙を選びましょう。
- 段ボール襖・発泡スチロール襖
- 特徴: 軽量で安価。叩くとくぐもった鈍い音がします。アパートやマンションに多いです。
- 張り替え: 接着された襖紙を剥がすと本体を傷つけるため、基本的に古い襖紙を剥がさずに「重ね貼り」するタイプです。
2.襖紙の種類と貼り方を選ぼう!
今はDIY向けの便利な襖紙がたくさんあります。ご自身のスキルや襖の種類に合わせて選びましょう。
- 再湿のりタイプ(水で貼るタイプ)
- 特徴: 裏面にのりが付いていて、霧吹きなどで水を吹き付けて貼るタイプ。最も一般的で、ホームセンターなどで手に入りやすいです。
- メリット: 貼り直しが比較的しやすく、初心者にも扱いやすい。種類が豊富。
- デメリット: 水を使うため、作業スペースが濡れる可能性あり。乾燥中の環境に注意が必要。
- アイロン接着タイプ
- 特徴: 裏面に特殊なのりが付いており、アイロンの熱で接着します。
- メリット: 水やのりを使わないので、手軽で部屋が汚れにくい。乾燥によるシワができにくい。
- デメリット: 一度貼ると剥がしにくい。熱に弱い下地の襖には不向きな場合も。
- シールタイプ(粘着タイプ)
- 特徴: 裏紙を剥がしてそのまま貼り付けるタイプ。壁紙のように貼れます。
- メリット: 枠が外せない戸襖や段ボール襖にも対応。道具が少なくて済む。手軽に雰囲気を変えられる。
- デメリット: 貼り直しが難しい。空気が入りやすく、シワになりやすい傾向があるため、慎重な作業が必要。
- のりタイプ(別途のりが必要なもの)
- 特徴: 襖紙自体にはのりが付いておらず、専用ののりやでんぷんのりを塗って貼るタイプ。
- メリット: 仕上がりが美しく、プロも使用する本格派。のりの調整で接着力を変えられる。
- デメリット: のりの準備や塗布に手間がかかる。技術と経験が必要。
【ポイント】機能性襖紙もチェック!
最近では、消臭・抗菌効果、UVカット、防カビ、ペット対応など、様々な機能を持つ襖紙があります。お部屋の用途や悩みに合わせて選ぶのもおすすめです。デザインも和柄だけでなく、洋風やモダンなものも増えていますよ。
【プロ級の仕上がり!】襖を上手に貼るための7つのポイントと手順
ここからは、実際に襖を張り替える際の手順と、失敗しないための大切なポイントをステップごとに解説します。
準備編:下準備で差がつく!
ポイント1:必要な道具をしっかり揃えるべし!
途中で道具を取りに行く手間をなくし、スムーズに作業を進めるために、事前に全て用意しましょう。
- 必須: 襖紙、カッター(新品の刃)、カッターマットまたは厚手の段ボール、定規(金属性がおすすめ)、ハサミ
- のりタイプ・再湿のりタイプの場合: のり、のりバケ、撫でバケ、スポンジ、霧吹き、バケツ
- その他: 脚立、作業台(または広いスペース)、メジャー、雑巾、マスキングテープ、ドライバー(引手外し用)、古い新聞紙やビニールシート(養生用)、補修紙(穴や凹みがある場合)
ポイント2:古い襖紙を丁寧に剥がすべし!下地処理が命!
- 枠と引手を外す: まずは襖を鴨居から外し、作業しやすい場所に運びます。次に、襖の枠(ふち)を外します。枠は、基本的にマイナスドライバーなどで軽く叩いて外せます。どの枠がどこについていたか分からなくならないよう、マスキングテープなどで印をつけておきましょう。引手もドライバーなどで外します。無理に外すと破損の原因になるので慎重に。
- 古い襖紙の剥がし方:
- 本襖の場合: 再湿のりタイプであれば、霧吹きで古い襖紙全体を湿らせてから、端からゆっくり剥がしていきます。下地が破れないように注意し、残ってしまった紙は濡らしたスポンジでこすり取るか、ヘラで優しく剥がします。
- 戸襖・段ボール襖・発泡スチロール襖の場合: 基本的に古い紙は剥がさず、そのまま上から重ね貼りします。ただし、何枚も重ね貼りされていて厚みが出すぎている場合は、専門業者に相談するか、新しい襖への交換も検討しましょう。
- 下地の補修: 穴や破れ、凹凸がある場合は、補修紙(厚手の紙や段ボール片など)を穴の形より少し大きめにカットし、のりで貼り付けて平らにします。乾燥後、サンドペーパーなどで表面をなめらかに整えておくと、新しい襖紙の仕上がりが格段に良くなります。
貼り付け編:いよいよ本番!慎重かつ大胆に!
ポイント3:襖紙の裁断は正確に!
- 新しい襖紙を襖のサイズに合わせてカットします。上下左右にそれぞれ2〜3cm程度の「捨てしろ(余白)」を残して、大きめにカットするのがポイントです。
- 襖紙には巻き癖がついていることが多いので、貼る前に逆方向に巻いてクセを直しておくと、作業しやすくなります。
ポイント4:接着剤をムラなく塗る/貼り付けるべし!
- 再湿のりタイプ: 襖紙の裏面全体に霧吹きで水を均一に吹き付けます。紙がしっとりと柔らかくなり、全体の色が均一に変わるまで待ちましょう。
- のりタイプ: 専用ののりを、刷毛で襖紙の裏面全体にムラなく均一に塗布します。端までしっかりと塗ることが剥がれ防止のコツです。
- シールタイプ: 広いスペースで襖紙を広げ、裏紙を少しずつ剥がしながら貼っていきます。一人で作業するとズレやすいので、できれば二人で協力すると良いでしょう。
ポイント5:空気をしっかり抜くべし!
襖紙を襖に貼り付けたら、中心から外側に向かって、撫でバケやヘラで空気を丁寧に押し出していきます。この時、力を入れすぎると紙が破れたり、シワが寄ったりするので注意しましょう。大きなシワは、指で軽く押さえながらゆっくりと外側に押し出すようにします。
ポイント6:乾燥は焦らず、環境を整えるべし!
これが成功の鍵!襖紙は乾燥する過程でピンと張ります。
- 直射日光やエアコンの風は厳禁! 急激な乾燥は、シワや反りの原因になります。エアコンや扇風機は止め、風の当たらない場所でゆっくりと自然乾燥させましょう。
- 湿度管理: 極端に乾燥している場合は、霧吹きで軽く部屋の空気を湿らせるのも有効です。
ポイント7:両面貼りの場合は同時に行うべし!
襖は片面だけを張り替えると、紙が縮む力で本体が反ってしまうことがあります。両面を張り替える場合は、必ず両面同時に作業を進めるか、片面を貼り終えて乾ききる前に反対側も貼るようにしましょう。
失敗時の対処法:諦めないで!リカバリー術
「あちゃー、失敗しちゃった…」そんな時でも、諦めるのはまだ早いですよ!
- シワやたるみができてしまったら?
- 軽度の場合: 乾燥後、目立たなくなることがあります。
- 目立つ場合: 霧吹きでシワの部分を軽く湿らせ、柔らかくなったら撫でバケやヘラで中心から外側へ空気を押し出すように優しく撫でます。
- 空気が入ってボコボコになってしまったら?
- 小さな気泡: 細い針で気泡の中心に小さな穴を開け、撫でバケで空気を押し出すように撫でると目立たなくなります。
- 大きな気泡: 気泡の端をカッターで数センチ切り込みを入れ、霧吹きで湿らせてから、のりを少量差し込み、ヘラで空気を押し出しながら貼り付けます。
- 端が剥がれてきたら?
- 専用の襖のりや木工用ボンド(水で薄めたもの)を少量、剥がれた部分の裏に塗って、ヘラでしっかり押さえつけます。乾燥するまでマスキングテープなどで仮止めしても良いでしょう。
- 襖紙が破れてしまったら?
- 小さな破れであれば、同じ襖紙の切れ端を、破れた部分より少し大きめに手でちぎって用意します(ちぎることでフチがなじみやすくなります)。のりを薄く塗って、破れた部分に重ねて貼り付け、撫でバケで優しく馴染ませます。
「自分でやるのが難しい…」そんな時はプロに任せる選択肢も
「やっぱり自分では難しそう…」「もっと完璧な仕上がりを目指したい!」と感じたら、プロの職人に依頼するのも賢い選択です。
プロに依頼するメリット
- 仕上がりの美しさ: 長年の経験と技術で、シワやたるみのない美しい仕上がりが期待できます。
- 手間と時間の節約: 面倒な下準備から片付けまで、全て任せられます。
- 適切なアドバイス: 襖の種類や状態に合わせた最適な方法を提案してもらえます。
- 豊富な選択肢: DIYでは手に入りにくい、本格的な襖紙や素材を選べることも。
こんな時はプロを検討しよう
- 襖の枚数が多く、時間や手間をかけたくない場合。
- 本襖など、剥がす作業が難しいタイプの襖の場合。
- 襖本体が大きく歪んでいるなど、補修が必要な場合。
- 古い家屋の襖で、デリケートな作業が求められる場合。
- どうしても失敗したくない、完璧な仕上がりを求める場合。
まとめ:あなたの気持ちが最高の和室を作る!
襖の張り替えは、少しハードルが高そうに感じるかもしれませんが、正しい知識と丁寧な作業、そして何より「きれいにするぞ!」という気持ちがあれば、必ず成功させることができます。
もし途中でつまずいてしまっても、焦らず、この記事のポイントを思い出して対処してみてくださいね。DIYで襖をきれいに張り替えられた時の達成感は、きっと格別なはず。あなたの和室が、より快適で美しい空間になることを応援しています!