「カマキリの飼い方:初心者でも安心!卵から成虫まで完全ガイド」
カマキリを飼ってみたいけど、「なんだか難しそう…」「何をあげればいいの?」「卵から育てるってどうやるの?」と、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
ご安心ください!この記事では、カマキリを初めて飼う方でも、卵の採集から孵化、幼虫から成虫までの育て方、そして飼育中に役立つちょっとしたコツまで、カマキリ飼育のすべてを分かりやすく、ていねいに解説していきます。
カマキリの魅力は、なんといってもその凛々しい姿と、獲物を捕らえるダイナミックな狩りの様子。彼らの生命の営みを間近で観察できるのは、飼育者だけの特権です。この記事を読めば、あなたも立派なカマキリ飼育の達人に!さあ、一緒にカマキリの奥深い世界を覗いてみましょう!
1. カマキリを捕まえよう!どこにいる?いつがいい?
カマキリ飼育の第一歩は、なんといってもカマキリを捕まえること!どこに行けば見つかるのか、どんな時期に探せばいいのか、ポイントを押さえておきましょう。
カマキリを見つけやすい場所
カマキリは、獲物となる昆虫が多い場所に生息しています。
草むらや畑: バッタやコオロギ、チョウなどが集まる草の丈が高い場所は絶好の狩り場です。特に、日当たりが良く、隠れる場所が多い場所を探してみましょう。
庭木や植え込み: 庭の木や生垣、植え込みの中にも潜んでいることがあります。葉っぱの裏や枝の分かれ目など、目立たない場所も要チェックです。
公園: 広めの公園や自然豊かな公園であれば、草地や木々の間にカマキリを見つけることができます。
家の周り: 意外と身近な場所、例えば庭の隅やベランダの植物などにも、獲物を求めてやってくることがあります。
捕まえるのに最適な時期
カマキリは、卵から孵化し、幼虫を経て成虫になります。飼育目的に合わせて捕まえる時期を選びましょう。
幼虫を捕まえるなら「春~初夏」: 4月下旬から6月頃にかけては、卵から孵化したばかりの小さな幼虫を見つけることができます。この時期から飼育を始めると、成長の過程をじっくり観察できます。
成虫を捕まえるなら「夏~秋」: 7月頃から秋にかけては、立派な成虫になったカマキリを見つけることができます。すぐに観察を始めたい方や、繁殖に挑戦したい方におすすめです。
捕まえ方の注意点
カマキリは素早いので、捕まえる際は少しコツが必要です。
そっと近づく: カマキリは動きに敏感なので、急に近づくと逃げてしまいます。ゆっくりと、後ろから近づくのがポイントです。
捕虫網や素手で優しく: 捕虫網があれば簡単に捕まえられますが、素手で捕まえる場合は、カマで挟まれないように注意しながら、胴体の部分を優しく掴みましょう。カマはハサミのように見えますが、実は内側にトゲがあり、挟まれると痛いことがあります。
無理に捕まえようとしない: 逃がしてしまっても、焦らず別のカマキリを探しましょう。
2. カマキリのお家を作ろう!飼育ケースと環境
カマキリを飼育するには、彼らが快適に過ごせる環境を整えてあげることが大切です。適切な飼育ケースと、その中に必要なものを準備しましょう。
飼育ケースの種類と選び方
プラスチック製飼育ケース: 昆虫飼育用の一般的なケースです。透明で観察しやすく、軽量で扱いやすいのが特徴です。様々なサイズがあるので、カマキリの大きさに合わせて選びましょう。
メッシュケージ: 通気性が良く、カマキリが登りやすい網状の素材でできています。特に幼虫など、脱皮をするカマキリにはおすすめです。
ガラス水槽(蓋つき): より本格的に飼育したい場合や、複数匹を飼育する場合に適しています。ただし、重さがあり、通気孔を確保するなどの工夫が必要です。
【ポイント】
通気性: カマキリは湿度が高すぎると病気になりやすいため、通気性の良いケースを選びましょう。蓋にたくさんの穴が開いているものや、メッシュ素材のものが適しています。
高さ: カマキリは脱皮の際、逆さまにぶら下がるため、ケースには十分な高さが必要です。特に幼虫の場合は、体の2~3倍の高さがあると安心です。
広さ: 成虫1匹につき、ある程度の広さが必要です。小さすぎるとストレスになり、共食いの原因にもなります。
飼育ケースの中に準備するもの
止まり木(枝や葉っぱ): カマキリは枝や葉っぱの上で生活する昆虫です。ケースの中に、カマキリがぶら下がったり、休憩できるような枝や葉っぱを入れてあげましょう。自然の小枝や、観葉植物の葉などが使えます。農薬などが付着していないか確認し、よく洗ってから使いましょう。
床材: 基本的には何も敷かなくても大丈夫ですが、ケースの底にキッチンペーパーや新聞紙を敷いておくと、糞の掃除がしやすくなります。土や砂は、湿度が高くなりすぎたり、ダニが発生する原因になることがあるので、あまりおすすめできません。
霧吹き: 毎日1~2回、霧吹きでケース全体を軽く湿らせてあげましょう。カマキリは飲み水としても利用しますし、乾燥しすぎると脱皮に失敗する原因にもなります。ただし、かけすぎは禁物です。
飼育ケースを置く場所
直射日光の当たらない場所: 直射日光はケース内の温度を急激に上げてしまうため、カマキリに大きな負担をかけます。明るい日陰や、室内の直射日光が当たらない場所に置きましょう。
風通しの良い場所: 密閉された空間だと蒸れてしまうので、風通しの良い場所に置くのが理想です。
静かな場所: カマキリは繊細な生き物です。振動や大きな音の少ない、静かな場所に置いてあげましょう。
3. カマキリのご飯は何をあげる?人工エサは?
カマキリは肉食昆虫です。生きた獲物を捕まえて食べるのが彼らの習性なので、飼育下でも「生きたエサ」を用意してあげましょう。
カマキリが食べるエサの種類
バッタ、コオロギ: カマキリが最も好んで食べるエサです。野外で捕まえることもできますし、ペットショップや爬虫類専門店で飼育用として販売されているものもあります。栄養価が高く、最も適したエサと言えるでしょう。
ハエ、ショウジョウバエ: 小さなカマキリの幼虫には、小さなショウジョウバエなどが適しています。
チョウ、ガ: カマキリは飛んでいる昆虫を捕らえるのも得意です。
ゴキブリ: 野生のゴキブリは病原菌を持っている可能性があるので避け、ペットショップなどで販売されている飼育用のものを与えるようにしましょう。
クモ: クモもカマキリの獲物になります。
エサを与える頻度と量
幼虫: 毎日~2日に1回程度、カマキリの体の半分くらいの大きさのエサを与えましょう。成長期なので、たくさん食べさせてあげることが大切です。
成虫: 2~3日に1回程度、カマキリの体と同じくらいの大きさのエサを与えましょう。
与え方: ピンセットでエサを掴み、カマキリの目の前にそっと差し出します。カマキリが興味を示して捕まえようとしたら、そのまま食べさせてあげましょう。
人工エサや死んだエサは使える?
残念ながら、カマキリは基本的に「生きて動くもの」にしか反応しません。人工飼料や、死んでしまった昆虫を与えても、ほとんどの場合食べません。
【例外】
ごく稀に、ピンセットで与えたり、口元に持っていくことで死んだエサを食べる個体もいるようですが、これは例外中の例外と考えましょう。カマキリの健康を考えると、やはり生きたエサを用意してあげることが重要です。
エサが捕まえられない時の対処法
「生きたエサを捕まえるのが難しい…」という方もいるかもしれません。そんな時は、以下のような方法を検討してみましょう。
ペットショップでコオロギなどを購入する: 昆虫専門店や爬虫類を扱うペットショップでは、飼育用のコオロギやミルワームなどが販売されています。まとめて購入しておくと便利です。
家庭菜園やプランターで小さな昆虫を育てる: レタスなどを育てていると、アブラムシや小さな虫がつくことがあります。これらを一時的なエサとして利用することもできますが、農薬の使用には十分注意しましょう。
4. 脱皮と共食い対策:カマキリ飼育の注意点
カマキリは成長するために脱皮を繰り返します。また、カマキリ特有の「共食い」にも注意が必要です。これらのポイントをしっかり押さえて、カマキリを元気に育てましょう。
脱皮の兆候と注意点
カマキリは幼虫から成虫になるまでに、数回脱皮を繰り返します。脱皮はカマキリにとって非常に体力を使う大イベントであり、失敗すると命に関わることもあります。
脱皮前の兆候:
体が白っぽくなる、色が薄くなる。
動きが鈍くなる、あまりエサを食べなくなる。
ケースの天井や枝にぶら下がったまま動かなくなる。
脱皮中の注意点:
絶対にいじらない!: 脱皮中は非常にデリケートです。ケースを揺らしたり、触ったりすると、脱皮に失敗する原因になります。じっと見守ってあげましょう。
湿度を保つ: 乾燥しすぎると、古い皮がうまく剥がれず脱皮不全を起こすことがあります。脱皮前後は、普段より少しだけ霧吹きを多めにして湿度を保ってあげましょう。ただし、かけすぎはNGです。
高さの確保: カマキリは逆さまにぶら下がって脱皮します。ケースの高さが十分でないと、脱皮中に体が底についてしまい、うまく脱げなくなってしまいます。
共食い防止対策
カマキリは肉食なので、複数匹を同じケースで飼育すると、共食いをしてしまう可能性が非常に高いです。
基本は「単独飼育」: 最も確実な共食い防止策は、一匹ずつ別のケースで飼育することです。飼育ケースの数が増えてしまいますが、カマキリの安全を考えるとこれがベストな方法です。
幼虫期は特に注意: 孵化したばかりの幼虫は、非常に小さくてもすぐに共食いを始めます。卵から孵化させた場合は、すぐに一匹ずつ別の容器に移してあげるか、広いケースでエサを豊富に与えるなどの工夫が必要です。
エサを豊富に与える: どうしても複数匹を同じケースで飼育したい場合は、常に十分な量のエサを与え、お腹を空かせないようにしましょう。ただし、それでも共食いのリスクはゼロにはなりません。
広い飼育スペース: 広いケースであれば、共食いのリスクを多少減らせる可能性はありますが、根本的な解決にはなりません。
その他の注意点
温度管理: カマキリは変温動物なので、適度な温度が必要です。夏場は暑くなりすぎないよう、冬場は寒くなりすぎないよう注意しましょう。理想は20~30℃程度です。
清潔を保つ: ケースの中が汚れていると、病気の原因になります。フンや食べ残しはこまめに取り除き、定期的にケース内を掃除しましょう。
農薬に注意: 野外で捕まえたエサや、飼育ケースに入れる枝や葉っぱには、農薬が付着している可能性があります。必ず農薬を使っていない場所で採集するか、よく洗ってから使用しましょう。
5. カマキリの繁殖と卵の採集方法
カマキリの飼育に慣れてきたら、繁殖に挑戦してみるのも面白いでしょう。メスが産み付ける「卵鞘(らんしょう)」の採集方法についても解説します。
カマキリの交尾と産卵
オスとメスの見分け方: 成虫になると、オスとメスを見分けることができます。一般的に、メスの方が体が大きく、お腹が太っています。オスはメスよりも細身で、飛ぶのが得意です。
交尾: 成熟したオスとメスを同じケースに入れると、交尾を始めることがあります。メスがオスを食べてしまうこともあるので、十分なエサを与え、交尾中は目を離さないようにしましょう。
産卵(卵鞘の形成): 交尾後、メスは「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる泡状の塊を産み付けます。この卵鞘の中に、たくさんの卵が入っています。卵鞘は、木の枝や壁、草むらなど、様々な場所に産み付けられます。
卵鞘の採集方法
野生のカマキリの卵鞘を採集してきて、孵化させることも可能です。
見つけやすい場所:
枯れ草や木の枝: 冬になると、枯れた草や木の枝に白い泡のような卵鞘が目立つようになります。
家の壁やフェンス: 日当たりの良い壁やフェンスにも産み付けられていることがあります。
採集時期: 秋から冬にかけて、成虫が産卵を終えた後に採集するのが良いでしょう。
採集方法: 卵鞘が取れないように、付着している枝ごとハサミで切り取ります。卵鞘本体を直接触ったり、衝撃を与えたりしないように注意しましょう。
保存方法:
採集した卵鞘は、直射日光の当たらない、風通しの良い涼しい場所に保管します。
乾燥しすぎないよう、時々霧吹きで軽く湿らせてあげましょう。ただし、濡らしすぎはカビの原因になるので注意が必要です。
冬の間は、屋外の軒下など、自然の寒さに当たる場所で管理するのが理想的です。人工的に温めると、孵化が早まりすぎてしまうことがあります。
卵の孵化と幼虫の飼育
孵化の時期: 卵鞘は、春(4月下旬~6月頃)になると孵化し、たくさんの小さな幼虫が出てきます。
孵化直後の幼虫: 孵化したばかりの幼虫は非常に小さく、共食いをしやすい性質があります。すぐに一匹ずつ小さな容器に移して単独飼育をするか、非常に広いケースでたくさんの隠れ場所とエサを用意する必要があります。
エサ: 孵化したばかりの幼虫には、ショウジョウバエやアブラムシなど、ごく小さなエサを与えましょう。
6. よくある質問Q&A
カマキリ飼育でよくある疑問にお答えします。
Q1: カマキリは冬を越せますか?
A1: 成虫になったカマキリは、基本的に冬を越すことはできません。寿命は長くても数ヶ月程度で、秋に産卵を終えると、寒さとともに一生を終えます。卵鞘であれば、適切な環境で冬を越し、翌春に孵化します。
Q2: カマキリがエサを食べません。どうしたらいいですか?
A2: いくつか原因が考えられます。
* 脱皮前: 脱皮前はエサを食べなくなることがあります。
* 環境が合っていない: 温度が低すぎる、高すぎる、乾燥しすぎているなどが考えられます。適切な環境を整えましょう。
* ストレス: 飼育ケースが狭すぎる、頻繁に触りすぎているなど、ストレスを感じている場合があります。
* エサのサイズが合っていない: エサが大きすぎると食べられないことがあります。体の大きさに合ったエサを与えましょう。
* 病気や寿命: ごく稀に病気の場合や、寿命が近づいている場合もあります。
Q3: カマキリは人間に慣れますか?
A3: カマキリは昆虫なので、犬や猫のように「慣れる」という概念は持ちません。しかし、毎日世話をしていると、エサの時間に反応したり、手のひらに乗せても暴れなくなったりと、ある程度の行動パターンを覚えてくれるようにはなります。優しく接することで、彼らも安心して過ごしてくれるでしょう。
Q4: 飼育ケースの掃除はどれくらいの頻度で?
A4: 毎日、フンや食べ残しがないか確認し、あれば取り除きましょう。ケース全体を掃除するのは、週に1回程度で十分です。その際は、カマキリを別の容器に一時的に移し、ケースをきれいに洗い、しっかり乾燥させてから戻しましょう。
Q5: カマキリが死んでしまいました。どうすればいいですか?
A5: カマキリの寿命は限られています。もし死んでしまっても、悲観することはありません。土に埋めてあげるか、燃えるゴミとして処分しましょう。死んでしまったカマキリから、学ぶこともたくさんあります。
まとめ:カマキリ飼育で生命の不思議を体験しよう!
カマキリの飼育は、彼らの力強い生命力や、獲物を捕らえる瞬間の躍動感を間近で観察できる、本当に魅力的な体験です。この記事でご紹介したポイントを押さえれば、初心者の方でも安心してカマキリ飼育を始めることができるはずです。
卵から孵化し、小さな幼虫が何度も脱皮を繰り返して成長し、やがて立派な成虫になる姿は、きっとあなたに感動を与えてくれるでしょう。そして、メスが卵鞘を産み付け、次の世代へと命をつなぐ姿を見届けられたなら、それはまさに命の神秘に触れる瞬間です。
さあ、あなたもカマキリ飼育を通して、自然の不思議や生命の尊さを感じてみませんか?きっと、新たな発見と感動が待っていますよ!