世界最古の楽器は骨のフルートだった!音楽の起源に迫る人類最古の楽器とは?
「人類最古の楽器は、石を叩いた打楽器だろう」
「いや、もしかしたら声かもしれない」
音楽の起源について、そう考えたことはありませんか?
私たちにとって身近な「音楽」が、一体いつ、どこで生まれたのか。その答えは、遥か昔の人類史に隠されています。
この記事では、現在見つかっている中で世界最古の楽器とされている、意外なその正体と、その発見が音楽の起源について何を示しているのかを分かりやすく解説します。考古学が解き明かした、人類最古の楽器のロマンに触れてみましょう。
世界最古の楽器は何?意外な答えに迫る
現在、世界最古の楽器として認定されているのは、ドイツ南部の洞窟で発見された骨のフルートです。
これは、約4万年前、旧石器時代の人類が作ったものだと考えられています。
それまで、最古の楽器は打楽器だろうと考えられていましたが、この骨のフルートの発見は、音楽の起源に関する私たちの常識を大きく覆しました。
このフルートは、ハゲワシの骨やマンモスの牙を使い、丁寧に穴を開けて作られていました。単に穴を開けただけでなく、音階を奏でられるように工夫が施されていたことから、当時の人々がすでに高度な音楽文化を持っていたことが分かっています。
音楽の起源は「叩く」より「吹く」だった?骨笛の発見
この骨のフルート、別名「骨笛」の発見は、音楽の起源が「打楽器」ではなく「管楽器」だった可能性を示唆しています。
なぜなら、骨笛を作るには、骨に正確な位置に穴を開けるという、かなりの技術が必要だからです。
一方、石を叩いて音を出す打楽器は、より原始的で簡単に作れると考えられます。
にもかかわらず、なぜ骨のフルートの方が先に発見されたのでしょうか?
それは、骨のフルートが、当時の文化やコミュニケーションにおいて、非常に重要な役割を果たしていたからではないかと考えられています。狩りの成功を祈る儀式や、仲間とのコミュニケーションに、音楽は不可欠なものだったのかもしれません。
【なぜ?】マンモスの牙やハゲワシの骨が楽器になった理由
世界最古の楽器は、なぜマンモスの牙やハゲワシの骨といった、動物の骨で作られていたのでしょうか。
加工のしやすさ
動物の骨は、木材などと比べて空洞になっており、穴を開けるなどの加工が比較的しやすかったと考えられます。
神聖な意味合い
マンモスは、当時の人々にとって食料であり、生命の源でした。また、ハゲワシは、空を自由に飛び回ることから、神聖な存在だったと考えられます。
これらの神聖な動物の骨を楽器にすることで、神々と交信したり、特別な力を得ようとしたのかもしれません。
最古の楽器が教えてくれる、人類史における音楽の重要性
世界最古の楽器の発見は、単なる考古学的な発見に留まりません。それは、人類が言葉や道具だけでなく、「音楽」という芸術を、文化として持っていたことを証明しています。
コミュニケーション
言葉が十分に発達していなかった時代でも、音楽は感情やメッセージを伝える重要な手段でした。
協調性
音楽を一緒に奏でることは、集団の一体感を高め、協力して生きるための重要な活動でした。
精神的な豊かさ
食料や住居といった物質的な生活だけでなく、人類はすでに、歌や楽器を奏でることで、精神的な豊かさを求めていたのです。
まとめ
世界最古の楽器が骨のフルートだったという事実は、音楽の起源が、私たちの想像以上に深く、人類の歴史の初期から存在していたことを示しています。
この骨笛の発見は、音楽が、私たちの生活に欠かせない、普遍的な文化であることを改めて教えてくれますね。