死亡保険は「掛け捨て」と「貯蓄型」どっちが得?FPが教える後悔しない選び方の基準
「死亡保険を検討しているけれど、『掛け捨て』は損な気がするし、『貯蓄型』は保険料が高い……結局どっちがお得なの?」
そんな疑問を抱えていませんか?実は、死亡保険選びで「どちらが得か」という問いに、すべての人に共通する正解はありません。なぜなら、あなたの家族構成、今の貯蓄額、そして将来の目標によって、最適な選択肢は180度変わるからです。
この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、掛け捨て型(定期保険)と貯蓄型(終身保険)の違いを徹底比較。メリット・デメリットはもちろん、最新のマネープランに基づいた「後悔しない判断基準」を詳しく解説します。
1. 「掛け捨て型」と「貯蓄型」の根本的な違いを理解しよう
まずは、それぞれの特徴をシンプルに整理しましょう。ここを曖昧にしたまま加入すると、数年後に「家計が苦しい」「保障が足りない」と後悔する原因になります。
掛け捨て型(定期保険・収入保障保険)
一定期間の保障を、安い保険料で「買う」という考え方の保険です。
特徴: 保険期間が終わってもお金は戻ってきませんが、その分、月々の保険料が非常に安く設定されています。
メリット: 子供が独立するまでなど、特定の期間に「数千万円」という大きな保障を安価に確保できる。
デメリット: 保険期間が過ぎると保障が消える。解約返戻金がほぼない。
貯蓄型(終身保険・養老保険)
保障を持ちながら、将来のためにお金を「積み立てる」という考え方の保険です。
特徴: 保険期間に定めがなく一生涯の保障が続くものが多く、解約した際には「解約返戻金」としてお金が戻ってきます。
メリット: 支払った保険料が無駄にならず、老後資金や葬儀費用の準備になる。
デメリット: 掛け捨て型に比べ、月々の保険料が数倍から十数倍高い。
2. 結局どっちが得?判断するための「4つのチェックリスト」
「得をしたい」と考えるなら、単なる支払額だけでなく、以下の4つのポイントで自分を診断してみてください。
① 「今、万が一の時に必要なお金」はいくらか?
例えば、小さなお子様がいるご家庭で、世帯主に万が一があった場合、必要となる金額は3,000万円〜5,000万円以上にのぼることもあります。
これを貯蓄型で備えようとすると、月々の保険料は数万円〜十数万円になり、家計が破綻しかねません。
大きな保障が必要な時期なら: 「掛け捨て型」で安く合理的に備えるのが圧倒的に得策です。
② 「貯金が苦手かどうか?」
「銀行口座にお金があると、つい使ってしまう」という方にとって、貯蓄型保険は強力な味方になります。
強制的に貯めたいなら: 保険料として自動的に引き落とされる「貯蓄型」が向いています。早期解約すると元本割れするリスクが、逆に「解約のブレーキ」となり、着実な資産形成につながります。
③ 「資産運用の経験があるか?」
最近では、新NISAやiDeCoなど、自分でお金を運用する選択肢が増えています。
自分で運用できるなら: 「掛け捨て型」で保険料を最小限に抑え、浮いたお金を投資信託などで運用する方が、最終的な受取額(期待値)は大きくなる可能性が高いです。
④ 「一生涯の保障が必要か?」
お葬式代や相続対策など、何歳で亡くなっても必ずお金を残したい場合は、掛け捨てでは対応できません。
確実に残したいなら: 満期のない「終身保険(貯蓄型)」を選ぶ必要があります。
3. FPが推奨する「ハイブリッド型」の賢い組み合わせ術
実は、多くのプロが実践しているのは**「掛け捨て」と「貯蓄型」のいいとこ取り**です。全部をどちらか一方で補おうとするのではなく、役割を分けるのが賢い選び方です。
【モデルケース:30代・共働き・子供1人の場合】
土台(貯蓄型): 葬儀代や一生涯の安心として、300万円程度の「終身保険」に加入。
上乗せ(掛け捨て型): 子供が社会人になるまでの20年間だけ、月々10万〜15万円が受け取れる「収入保障保険」をプラス。
この方法のメリット:
万が一の時の「家族の生活費」は安い掛け捨てでしっかり確保しつつ、自分自身の「一生涯の保障」もキープできます。子供が独立したら掛け捨て部分だけを解約すれば、老後の保険料負担も軽くなります。
4. 知っておかないと怖い!「貯蓄型」の落とし穴
「お金が戻ってくるなら貯蓄型の方がいい」と安易に決める前に、以下のリスクも理解しておきましょう。
インフレによる「お金の価値」の低下
貯蓄型保険の多くは、加入時に将来受け取る金額が固定されます。しかし、20年後、30年後に物価が大きく上がっていたらどうでしょうか?今なら「500万円で車が買える」としても、30年後には「500万円では中古車も怪しい」という状況になっているかもしれません。固定金利の貯蓄型保険は、インフレ(物価上昇)に弱いという弱点があります。
早期解約による元本割れ
貯蓄型は、加入して数年〜十数年以内に解約すると、戻ってくるお金(解約返戻金)が支払った総額を大きく下回ることがほとんどです。「急にお金が必要になった」という時に、損をせずにお金を引き出すことが難しいという流動性の低さには注意が必要です。
5. 失敗しないための具体的なアクションプラン
では、今日から何をすべきか。手順をまとめました。
「必要保障額」を計算する: 遺族年金などの公的保障を差し引いた上で、家族にいくら残すべきか算出します。
「掛け捨て」で必要額を満たす: まずは家族を守るための大きな保障を、安い掛け捨て保険(定期保険や収入保障保険)で確保します。
余剰資金で「貯蓄型」を検討する: 毎月の予算に余裕があり、かつ「老後資金」や「葬儀代」を保険で備えたい場合のみ、貯蓄型を検討します。
「非喫煙者割引」をチェック: タバコを吸わない方は、掛け捨て型・貯蓄型問わず保険料が安くなるプランが多いため、必ず確認しましょう。
結論:今のあなたに「最適なバランス」を見つけよう
死亡保険における「得」とは、単に解約時にお金が戻ってくることではありません。**「最小限のコストで、最大のリスク(家族の困窮)を確実に回避すること」**こそが、真の意味での「得」といえます。
まずは、掛け捨て型で「安心」を格安で手に入れ、その上で貯蓄型や投資をどう組み合わせるかを考えてみてください。
もし「自分の場合はいくら必要か計算できない」「各社のプランを比較するのが大変」と感じたら、一度保険の比較サービスや専門家のアドバイスを受けてみるのも手です。自分にぴったりの組み合わせが見つかれば、将来への不安は驚くほど軽くなります。
大切なのは、仕組みを理解して「自分で選ぶ」こと。この記事が、あなたの納得のいく保険選びの助けになれば幸いです。